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フランス・ワインについて

フランスに行けば、食事とワインは切っても切れない。フランスには実に多彩なワインがあってうれしい限りだ。
また、日本では知られていないローカルなワインでも驚くほど美味い。きっと地の料理や気候とマッチしているからだろう。
それだけワインがその土地の生活に密着しているのだと思う。だから、色々な土地に行って知らないワインに出逢う楽しみがある。
そこで、ちょっとフランスのワインについてウンチク。ワインについて少しの知識があれば、食事の時間がもっと楽しくなるはず。

▼もくじ  
ワイン大国フランスフランスワインの産地フランスのワイン法AOCについてオススメ図書


 基本編「プロヴァンスの味覚」>「ワイン
 番外編「ワインについて

ワイン大国フランス

ワイン作りに好条件なフランス。広大な国土(南北900キロ)と様々な気候(大西洋気候、大陸気候、地中海気候)のフランスには、多種のブドウが育ち、多彩なワインが産まれる。さらに、ブドウ栽培やワイン醸造の伝統、市場環境が整っていることも、フランスワインには欠かせない。

国名
ワイン生産量(2004年)
ブドウ畑の面積
年間消費量
フランス
5000万hl(うち、AOCは2800万kl)
91万ha(黒65% 白35%)
80本/人
イタリア
4500万hl
87万ha
スペイン
3700万hl
120万ha
日本
80万hl(日本酒760万hl、ビールなど発泡酒6500万hl)
2万ha
3本/人

フランスの年間生産量は5339万hl(ヘクトリットル ※1hl=100l)。フランスとイタリアで世界の大半に相当する。そして、よく飲む。生産量は世界1位、ブドウ面積は同2位(1位はスペイン)、年間消費量は同2位(1位はルクセンブルグ)。「ワイン王国」たるゆえんだ。

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フランスワインの産地

光の反射や輸送などの関係で、フランスワインの産地は大河川や海と密接な関係にある。

産地名 河川 特色 主なブドウ品種 AOC栽培面積
AOC生産量
シャンパーニュ 
Champagne
マルヌ川 発泡ワイン。
(白)シャルドネ 
(黒)ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ
2.9万ha
22.8万kl
アルザス 
Alsace
ライン河 エレガントな白ワイン。
(白)リースリング、トケ、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネール 
(黒)ピノ・ノワール
1.5万ha
10.1万kl
ブルゴーニュ 
Bourgogne
ソーヌ河 二大銘醸地の一つ。
(白)シャルドネ、アリゴテ 
(黒)ピノ・ノワール、ガメ
4.8万ha
28.1万kl
コート・デュ・ローヌ 
Cote du Rhone 
ローヌ河 力強い赤、男性的なAOC。
(白)ヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌ 
(黒)シラー、グルナッシュ
7.7万ha
35.1万kl
ロワール 
Loire
ロワール河 軽い赤と白。
(白)ミュスカデ、ソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブラン 
(黒)カベルネ・フラン、ピノ・ノワール
7.5万ha
26.5万kl
ボルドー 
Bordeaux
ジロンド河 二大銘醸地の一つ。
(白)ソーヴィニョン・ブラン、セミヨン 
(黒)カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロ
12.1万ha
57.4万kl
プロヴァンス・コルス 
Provence et Corse
ローヌ河
地中海
辛口ロゼ&天然甘口ワイン。 (白)クレレット、ユニ・ブラン、セミヨン
(黒)グルナッシュ、サンソー、ムールヴェドル
2.5万+0.2万ha
11.0万+0.8万kl
ラングドック・ルシヨン 
Languedoc et Roussillon
地中海 国内ブドウ栽培面積の4割。安価な日常ワイン。 (白)クレレット、ピクプール、ユニ・ブラン
(黒)グルナッシュ、カリニャン、アラモン
4.0(38.0万)ha
18.6万(64.2万)kl

ジュラ・サヴォワ
Jura et Savoie

  軽快なワインと黄ワイン、藁ワイン。 (白)サヴァニャン、シャルドネ/シャスラ、アルテス
(黒)プールサール、トルソー/モンドゥーズ
0.2万+0.2万ha
0.8万+1.3万kl
南西地方
Sud-Ouest
  重厚な赤と甘口ワイン。アルマニャック (白)セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン、ミュスカデル
(黒)カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、タナ
2.5万ha
14.5万kl

フランスのワイン産地は上記10、ブランデー産地は2つ(コニャック、アルマニャック)。

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フランスのワイン法

フランスではEU規定にのっとり、「AOC=原産地統制名称」という独自のワイン法で、ピラミッド状に4つにカテゴライズしてその出自と品質を保証している。

EUカテゴリー フランスワイン法 - 全体に占める% 特徴(全生産量に占める割合)
Vin de Qualite Produits dans une Region Determinee(V.Q.P.R.D.)
指定地域優良ワイン
Appellation d'Origine Controlee(AOC) - 46% 「原産地統制名称ワイン」。原産地呼称統制法(1935年制定)に基づき、栽培、醸造、熟成法が規定。ブドウ品種や色が限定

Vin Delimite de Qualite Suprieure(VDQS) - 1%

「原産地名称上質指定ワイン」。主に南仏で生産

Vin de Table
日常消費用ワイン
Vins de Pays - 25% 「ヴァン・ド・ペイ」あるいは「地酒」。限定された産地(157の生産地域)で、決められたブドウ種で醸造されたワイン。産地の名前をつけることができる。品種やヴィンテージの表記可

Vins de Table - 10%

「ヴァン・ド・ターブル」あるいは「テーブルワイン」。原産地や原産国の違うワインをブレンドした食卓用ワイン。フランス国内産もしくはEU産のブドウの使用可。品種やヴィンテージの表示禁止。アルコール濃度8.5%〜15%に定められている

AOCワインとは、生産地域、原料ブドウ品種、醸造法、栽培法、生産量など、I.N.A.O.(Institut national des Appellations d'Origine 国立原産地名称研究所)の細かい規定と検査をクリアした高品質で、フランスで最も高い格付けのクオリティーワイン。約400の原産地が認められている。

AOC名がワイン名となり、多くの場合、地名もしくは村(畑)名となる。ラベルには原産地名が必ず入り、地域が限定されればされるほど格が高くなり高級感が増す(範囲が狭くなるほど規定が厳しくなるため、品質は良くなり、ワインにその原産地の個性がより強く現れます)。 また、自明であることからAOCのラベルには品種は表示されない。AOCワインは約400種類。それぞれに個性があり、AOCを覚えることがフランスワインを覚えることになる。

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A.O.C.について

「A.O.C.」とはフランスの食品法の根幹を成す制度。
"Appellation d'Origine Controlee"の略で、「原産地統制名称」と訳され、農作物の原産地と品質を明示するもの。「A.O.C.」というと、日本では高級ワインを示す代名詞として浸透しているが、フランス本国では、ワインにとどまらず、チーズやオリーブなど、その他の農業加工品にも幅広く適用されている。通常、"d'Origine"の部分に地名を当てはめて表記される(例えば"Appellation Chateauneuf-du-Pape Controlee"となり、”A.C.Chateauneuf-du-Pape”と略される)。
食品(農業製品および生鮮食料品)の産地と品質に関する「地理的表示」制度で、1919年に施行され、 1990年7月に整備された。「地理的に厳密に限定したある地域あるいは地方の製品」であることを証明し、かつ保護することを目的とする。また、これら地名を冠した食品の名称を、当該以外の業者が「一般商品名として」使用することを禁じている(例えば「シャンパーニュ」地方以外で造られたスパークリングは「シャンパン」を名乗れない)。
厳格な一定基準(地域の限定、風土を生かした固有の製品、伝統的な生産方法など)を満たすことで、農林水産省下国立原産地呼称院"Institut national des appellations d'origine (INAO)"から、AOCの適用を認可される(基準に関しては下表参照)。

ワイン
(総生産高の3割強=約400種)

その土地で収穫されたぶどうのみを使用
その土地に決められたぶどう品種を使用
単位面積あたりのぶどうの最大収穫量
ぶどうの糖度、ワインの醸造方法、最低アルコール度数、最低熟成期間

チーズ
(全38種類)
原料乳の種類・産出地域
製造地域および製造方法
熟成地域および熟成期間
形、外皮、重量、乳脂肪分

この制度によって、製品の原産地と品質および特殊性が保証されるので、生産者と消費者の双方に様々なメリットがある。
1)購入する製品がどこで作られたものであるか、どんな品質かという、消費者の「食の安全」に対するニーズに応える。
2)市場における類似品や模造品を排除し、製品の持つ独自の性格を保証する。
3)製品の差別化あるいはブランド化によって、市場競争力を高め、大規模農業との格差を埋めることができる。
4)低価格合戦に巻き込まれないため、小規模生産者であっても安心して伝統的な特産品の生産に従事できる。

また、
a)地域に根付いた食の伝統文化を維持させ、また観光資源として、地域の活性化にもつながる。
b)過疎化や荒地化、過剰生産や環境破壊を防ぐ点で、国土整備においても一定の役割を果たす。
など、単に郷土の特産品の保護という概念を越え、経済的かつ社会的波及効果も考慮されている。

なお、EU域内ではAOP"Appellation d'Origine Protegee"(原産地呼称保護)とIGP"Indications Geographiques Protegees"(保護地域表示)という、フランスと同様の「地理的表示」保護措置制度がある(1992年リスボン調停)。例えば、スイスのエメンタール・チーズ、イタリアのパルマ地方の生ハムやチーズ、そしてフランスのボルドーワインやシャンパンなどが、EU内でAOPとして認定されている。なお、最近(2004年11月17日)では、このような地名を冠した食品名の独占が、WHO(世界貿易機関)のルール違反にあたると中間報告され、今後の正式な判断が待たれる。

ちなみに、プロヴァンスにおける、ワイン以外のAOCあるいはAOP商品として、以下が挙げられる。

プロヴァンスのAOCあるいはAOP商品(ワイン以外)
カマルグの雄牛 Taureau de Camargue AOC
ヴァントゥーのマスカット muscat du Ventoux AOC
レ・ボーのオリーブオイル huile d'olive de la vallee des Baux de Provence
壊れオリーブ olives cassees de la vallee des Baux de Provence
黒オリーブ olives noires de la vallee des Baux de Provence
AOC
クローの干草 foin de Crau AOC
オート・プロヴァンスのラヴェンダー・エッセンス・オイル huile essentielle de lavande de Haute Provence AOC
ソリー・ポンの紫イチジク figue "violette" de Sollies-Pont  
バノンのチーズ fromage de Banon
AOC
トリキャスタンの黒トリュフ truffe du Tricastin AOC
エクサンプロヴァンスのオリーブオイル huile d'olive d'Aix-en- Provence AOP
オート・プロヴァンスのオリーブオイル huile d'olive de Haute-Provence AOP
※プロヴァンスのAOCワインはこちら

→AOC、AOPなどの表示

EU基準"AOP"
「原産地呼称保護」
EU基準"IGP"
「保護地域表示」
フランス基準"label Rouge"
「良質の証」
フランス基準"label AB"
「自然農法」

→もっと詳しくは
「AOC(原産地呼称認定)制度は、国土整備の鍵を握る」ジャン・ヒュベール(Jean HUEBER)氏フランスANAOF(チーズ原産地呼称全国協会)会長

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オススメ図書

プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏には、ローヌ川沿岸の「コート・デュ・ローヌ地方南部Côtes du Rhône」と、地中海沿岸の「プロヴァンス地方Provence」の2つの産地がまたがっており、以下の図書では、ワイン的見地からプロヴァンスを知ることができる。

ポケット・ワイン・ブック 第6版
ヒュー・ジョンソン著 早川書房

アカデミー・デュ・ヴァン推薦の必携本。
世界中のあらゆるワインがアルファベット順に解説されている、ワインの辞書。
ポケットサイズだから持ち運びに便利。国内海外を問わず、飲む時、買う時いつでもお供に。
2005年出版の最新版。英語版もあり


図説 フランスワイン紀行―知られざる名産地を訪ねて
宇田川 悟 (著), 山本 博
河出書房新社 ふくろうの本

ワイン王国フランスの産地を巡る、いわばワイン的見地の観光情報。二大産地のボルドーとブルゴーニュ以外のマイナーエリアにも平等にページを割いて、多彩なAOCと見所や歴史を説明している。地方に行けばその土地のワインが郷土料理にも気候にも合うから一番美味しいわけで、ワインファンがフランス旅行を計画する時に参考になる。
プロヴァンスにまたがる2つの産地、コート・デュ・ローヌは「南北の対照的な風土が生み出す多彩な味と香り」、プロヴァンスは「フランスワインの起源となった歴史ある栽培地」として紹介されている。


ワインが語るフランスの歴史
山本 博 白水社

ワインは自然と人知の合作物。ワイン王国フランスの歴史には、新世界にはないロマンがつまっている。本書はフランスの歴史にからめて、フランスの12の産地を巡り、主要ワインについて36章を割いて解説。石器時代から現代まで続く歴史を知れば、フランスワインがよりいっそう美味しく楽しく味わえる。
ワイン産地としてのプロヴァンスについては、「ギリシア植民市の誕生 ワイン文化発祥の地マルセイユ」、「聖ジャックの道、銀河 巡礼の道のワイン」、「アヴィニョンの幽囚 教皇の赤ワイン」に加え、「エニシダの復讐 ロワールの城とワイン」でロゼダンジューとタヴェルの比較、「フランスを襲ったブドウのペスト フィロキセラ以前と以降のワイン」でフィロキセラ発見の地としてアルルが紹介されており、ワインとの深いかかわりがわかり、プロヴァンスの旅にもう一つの楽しみが加わる。


知っておきたい「酒」の世界史
宮崎 正勝 (著) 角川ソフィア文庫

酒の歴史は人間の歴史。ウォッカ、テキーラ、日本の焼酎など、世界中の全ての蒸留酒は、9世紀にイスラームで錬金術のために発明された「アランビク」からはじまった。メソポタミアからヨーロッパにもたらされた「液体のパン」ビール、ペストの恐怖が育てたウィスキーとブランデー、飲料水代わりだった大航海時代のワイン、冬の寒さが産んだ奇跡の酒シャンパンなど、世界をめぐる多様なお酒の意外な来歴と文化がわかる、おもしろ世界史。バーでのウンチクが増えます。幻の酒アブサンと南仏の酒パスティスの関係も。


もっとワインが好きになる―必携Wine好きノート
花崎 一夫 (著) 小学館

サントリースクール主任講師による、ワインに関する実践知識が満載。
ぶどう品種・栽培条件、製造法、飲み方のポイント、世界の産地(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、チリなど)と特徴(地域、地形、土壌、気候、ぶどう品種、歴史、主な銘柄・特色)、格付け・ラベルの読み方、おすすめワイン100選など、 この一冊でワインが10倍美味しく楽しめる。


太陽の香り―南フランス・ワイン紀行
渋谷 康弘 ベストセラーズ
現役ソムリエが、プロヴァンスを食べ&飲み歩き。
ワイン産地を念頭においているため、サブタイトルが南フランスとなっているが、まさしく丸々プロヴァンス。
前半はアヴィニョンを拠点に、後半はエクスを拠点に、ブドウ畑・ワイナリーやレストランや食材の産地を巡る。さすがソムリエだけあって、レストランのシェフと知り合いで、観光では知り得ない現地の楽しみ方が詰っている。また、ワインの造り手やレストランのシェフとの会話の中で、プロヴァンスの人々の食に対する哲学が分かって面白い。
太陽の恵み。これこそがプロヴァンスの「テロワール」なんだろう。プロヴァンスの滋味を知りたい人は必読。

ヨーロッパものしり紀行 くらしとグルメ編
紅山 雪夫 新潮社
元旅行代理店のベテラン添乗員が、ヨーロッパのあれこれウンチクを案内する「読む観光本」。より踏み込んだ知識をもてば、他人任せのツアーより、断然ヨーロッパ旅行がイキイキしてくる。
シリーズ第二弾。
チーズやワインやレストランなどの食事から城塞や家やローマ遺跡の建築まで、ヨーロッパ旅行で出会う現地の生活文化を幅広く紹介。
プロヴァンス関連としては、ニームのローマ水道橋の建築の秘密、カマルグに住むジプシー(ロマ人)の知られざる生活、香水の都グラースの花精油の製造法などがわかりやすい文章で説明されている。


まだまだオススメ本あります→プロヴァンスに関する本

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